【利用比較:転職エージェントvsハローワーク】転職にはどっちが便利?実際に利用してみた感想
2016/10/05
就職・転職・再就職などなど…
仕事を探す上で主に利用される2つのサービス
- 転職エージェント(民間)
- ハローワーク(公的機関)
今回は特に「転職」という観点から
利用する際の違い等を紹介します。
予備知識:企業側の負担の違い
転職エージェントとハローワークを利用する前に、知識として知っておきたいのが「求人を出す際の企業側の負担」です。これを知っておくだけでもサービスの性質的な違いが見えてきます。
私たち利用者はいずれのサービスも「基本無料」で利用可能。
ですが求人票を掲載する企業側は負担が大きく異なります。
金銭的な負担
転職エージェント
企業は「転職が決まった方の年収の約20~30%」を成功報酬として転職エージェント側に支払います。例えば…Aさんが年収400万円の企業に転職が決まった場合は、企業側は80~120万円を紹介料として支払います。
結構な大金をつっこんでるので
採用する側は割とガチだったりします。
そういった理由から、転職エージェント経由の転職は「即戦力」を求められたり、個人で応募してくる分よりも「採用基準が厳し目」だったりすると言われます。
関連記事:初めて転職エージェントを使った時の話
ハローワーク
こちらは公的サービスということもあり、
求人票の掲載は無料で行うことができます。
その為、中小や零細企業の求人をはじめ、応募は少ないだろうけど取りあえず掲載しておくか…といった企業も多いです。その為、転職エージェントよりも求人数は多め。
転職エージェントほどは即戦力を求められないことから、「異業種にチャレンジ」したい場合はハロワ経由での転職活動もアリ。
関連記事:求人データ考察:地方と都会の就職格差
面接等の作業負担
転職エージェント
転職エージェントを利用する際、まずはじめにカウンセリング(転職希望者に対する聞き取り)が行われます。それにより、エージェント側はマッチング度合いの高い企業を転職希望者に紹介します。
企業側からすると予め応募者を選別してくれているので面接の負担は低め。応募書類等も使いまわせる仕組みのため、利用者の負担も少ない。
ハローワーク
絶対ではありませんが、企業側は応募に対して、可能ならば面接を受けることが推奨されているようです。条件を満たしているにも関わらず面接を断るばかりだと次からの求人掲載に影響する恐れが。
その為、採用する意思があまりないけど「取りあえず面接」といったパターンも考えられます。応募書類も毎回作成する必要があるので、利用者の負担もヤヤ大きい。
転職エージェントとハローワークの違い
両方とも利用経験のある私の意見を最初に述べると…
地方における地元就職や零細企業でもOKな場合はハローワークを使った転職もアリだと思います。希望する地域によっては転職エージェントが殆ど存在しない所もありますからね。一方で、都会や大企業への転職を希望する場合は、転職エージェントは非常に便利です。
ちなみに利用者を見てみると、ハローワークは雇用保険と紐づいていることから一度仕事を辞めてからの「再就職先」探しとしての利用者が多く、転職エージェントは仕事をしながら次の会社を探す「転職先」探しとしての利用者が多い印象です。
※転職エージェント経由での転職成功者は7~8割程が仕事を続けた状態からの転職だそうです
求人の数
転職エージェント最大手「リクルートエージェント」の求人数は非公開も含めて『約10~11万件』です。対して「ハロワ」に掲載されている求人数は全国で『約70万件』でした。
※ハロワの検索条件は「検索条件=フルタイム」の総数
※ハロワに掲載されている求人はネット検索可能です
企業からすると求人を出すにも無料と有料の違いがあります。無料で求人を出せるハローワークのほうが当然ながら多い。
求人の質
求人の中身や質は転職エージェントのほうが仕様的に上。
ハローワークの求人はネットからでも全て検索できるのに対し、
転職エージェントの場合は「公開・非公開」で分けられています。
- 転職エージェントに登録(場合によっては断られる)
- 初回にカウンセリング(希望等の聞き取り)を行う
- マッチング度合いによって非公開求人も紹介する
ブラックな案件はハロワ/転職エージェント共にありますが、お役所仕事とは違って、転職を成功させることが利益に直結する転職エージェントのほうが案件は精査されていると言えます。
転職エージェント経由で転職したものの…すぐに会社を辞めた場合は、転職エージェント側が企業に対して報酬の一部を返却する取り決めなどもあります。ですので、すぐに辞めたくなるような企業を無理に紹介してくることは少ない。
サポート
サポートに関しても転職エージェントのほうが上。
転職エージェントは言うなれば営業職。
「転職の成功=利益」というわけです。
- 面接が苦手とあれば面接対策
- 書類に不安があれば書類添削
- これまでの転職者のデータを元にした選考内容に関する情報
色々とハローワーク以上の強みがあります。
情報量の違いなども転職エージェントの売りです。
…
ハロワの場合は担当者による「知識量の差」も意外と大きい。
私が失業して地元(田舎)のハローワークを利用した時の話をすると、事務や介護、製造系の職に関しては地方でも多いので詳しいと思いますが、私自身は元エンジニアで、次に希望する職もプログラマー系の理系職。
地元のハロワで相談してみても…
担当者の知識が乏しく「右から左」な状態。
君が希望する求人票を選んで持ってきてね~っていう、、、それだけな感じになっちゃいましたね。
応募までの流れ
応募までの流れは次のような感じです。
■ハローワークの場合
- 求人検索システムを利用して企業を探す
- ハロワ職員に応募したい旨を伝える
- ハロワ職員を通して面接日等を決める
- 履歴書等の書類を企業毎に作成して面接へ
■転職エージェントの場合
- 転職支援サービスへの申し込み
- キャリアアドバイザーを通してのカウンセリング
- 求人紹介/書類添削/面接対策のサポートを得て面接へ
でもって…
転職エージェントを利用した場合は、書類の一部はWEB上で作成して使いまわせる仕様になっているので楽。転職の肝である面接に集中しやすくなっています。
採用率の違い
ハローワークの求人に関しては、無料で求人を出すことができる故に「すごく良い人が応募してくれた場合のみ採用しようかなぁ~」といった感じで、採用意思が低い企業が混ざっている可能性も。
逆に転職エージェントの求人に関しては、いざ採用するとなれば企業側も結構なお金を支払うことになります。故に「即戦力」な人が求められたり、「少し厳しい目」で採用を判断される可能性があります。
どちらも一長一短。
所感
転職活動を開始してすぐに次の企業が見つかれば問題ありませんが…そう簡単にいくものではありません。想像以上に手間で時間がかかることから途中で疲れてしまう人も多いです。
すぐにでも相談したい場合は、審査等がないハローワークにて相談してみるも良し。現在就労中で時間が作りにくい人の場合は、効率よく転職活動を進める為にも転職エージェントはぜひとも使いたいですね。
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